衆議院の委員会構成

 来週の11月11日からは特別国会が開会します。特別国会とは憲法54条に規定される国会で議長や内閣総理大臣を選出します。

 二十一世紀に入ってからは第一党が過半数を占めていたので、議長も内閣総理大臣も第一党から選出されてきました。今回は第一党は過半数に遠く及ばず、前の内閣の与党でも過半数に届かない状況であることから、人事が宙に浮いた状況です。さらに、委員会の委員長もどの会派が占めるのかも定まっていません。

 聞くところによると、自民党は当初は、前の国会と同様に、17ある常任委員会のうち野党に2つの委員長と言ってきたようです。野党の方が多数なのですから、野党がその気になればほとんどの委員長を野党で占めることができます。自民党は野党を本気にさせてどうするつもりなのでしょうか。

 結局、委員長の会派の割り振りはドント配分することになりました。つまり、自民党8、立憲民主党6、維新の会1、国民民主党1、公明党1です。また、議院運営委員長は自民党、予算委員長は立憲民主党になりました。

 報道では、自民党が折れて、となっていますが、折れるも何も当然の結論だと思います。野党が多数決で主要な委員会の委員長を占めても良かったのですが、穏当に済ませたという意味で、折れたのは野党の方でしょう。

 最初の要求は高めに、というのは交渉術としてはありますが、不当に高い要求をすると信頼を失い、かえって交渉にはマイナスになることもあります。野党も無茶な要求をしようとは思っていませんので、自民党は当初から妥当な提案をすることを望みます。

目次