兵庫県知事選での問題点
昨日(11月17日)に投開票が執行された兵庫県知事選挙では、異例の事態がありました。
第一に、選挙直前になって大量の候補者を擁立するとの発言があったこと。東京都知事選では、候補者予定説明会に参加した者(代理人を含む)以上に立候補者がいたため、公営掲示板の掲示箇所が不足するという事態がありました。兵庫県知事選挙でも同様の混乱が生じるかもしれないということで、兵庫県選挙管理委員会は公営掲示板を増設するなど追加的な費用が発生することになりました。しかし、実際には大量の立候補者は現れませんでした。つまり、兵庫県民の税金がムダになったということです。
第二に、当選するつもりがなく他の候補を応援するために立候補したと公言する候補者がいたこと。立候補するのは当選して公職に就くことが当然の目的です。また、候補者の平等を期すために、選挙カーは1台、選挙ビラも枚数制限(兵庫県知事選では28万枚)などと決まっています。ところが、候補者が他の候補を応援すると、選挙の公平性はなくなってしまいます。公職選挙法では全く想定されていなかったことです。選挙の公平性を確保するための対策が必要です。
第三に、SNSでデマが拡散されたことです。例えば、ある候補者(「候補者A」とします)が掲げていない政策を勝手に捏造して候補者Aが知事になったらこんな政策を実施するなどの言説を広められたことです。
今年は4月に執行された衆議院議員補欠選挙は東京15区において、ある候補者(「候補者B」とします)が他の候補者(「候補者C」とします)の街頭演説会に乗り込んできたという問題が生じています。つまり、候補者Bが拡声器で発言することで、先に街頭演説をしていた候補者Cの演説が聴衆に聞き取れないという問題がありました。候補者Bの行為は選挙妨害のように見えましたが、候補者であるがゆえに警察が取り締まりづらいという問題がありました。
これまで、ある意味で性善説に立っていた公職選挙法ですが、本来の趣旨とは異なる行為で民主主義が損なわれるようなことになってはいけません。公職選挙法の改正など必要な取り組みを進めます。